長崎市スタートアップ支援事業「コッコデショ!」も第4回目の開催となりました。
10月26日(火) 18:00 ー19:30
前半:アイディアのプレゼンテーション(30分)
後半:顧客課題を考える(60分)
これまで、自分たちが考えているアイディアの市場規模について考えてきました。
まずは、大きな目線、高い視座で、いったい世の中のどういった課題を解決したくて、どんなところまで可能性があるのか、自分たちがアプローチすることのできる市場ってどこだろう、そんな大きな市場の話。
これをTAM(タム):Total Addressable Market と言います。
そして、SAM(サム):Service Available Market。自分たちがやろうとするサービスがそのままでどれだけの市場にアプローチできるのか。TAMが現時点のサービスだけでなく、広い意味で可能性のある市場だとすると、SAMはもっと現実的な市場で、競合たちと切磋琢磨する市場です。
最後に、SOM(ソム):Service Obtainable Market。自分たちのサービスで実際に獲得できる市場です。「コッコデショ」では、これを5年間の事業計画で獲得を目指す市場であって、これから起業する事業アイディアだけで達成可能な市場と定義しました。
このTAM、SAM、SOMをきちんと整理し、具体的にイメージできていることが、この会社って何やっていると説明できることであり、共感を呼び、一緒に事業を形作っていく仲間たちを呼ぶことであり、顧客に支持されることにつながると私は考えています。
だから、とっても大事。
でも、私がそれ以上に大事だと思っているのは、「なぜそれをやりたいのか」。
なぜそこに課題があり、チームはなぜそれに向き合うことに決めたのか。
スタートアップは、短期間で事業規模を拡大することを目指します。スタートからアップするのです。生半可な道のりではありません。挫けそうになります。むしろ挫けるのが普通です。というか、始めるだけでもクレイジーです。衣食住に困ることのない現代において、なぜ皆から「無理だよ」「バカじゃないの」「やめときなよ」と批判されながら、それでもなお課題解決に向き合うのか、イノベーションを起こそうとするのか。
クレイジーなほどに夢中になれる、心を熱くする何かがなければアイディア倒れになってしまいます。付け焼き刃のアイディアよりも、実行すること、実行し続けることに価値があるのです。
前半のプレゼンテーションは以下に留意して4つの発表が行われました。
<必ず盛り込む内容>
ターゲット市場を明確にすること。
Why - なぜその市場をやりたいのか、なぜその市場が必要だと思うのか。
TAM、SAM、SOM。夢を語るためのTAM。直接的な競合(ユーザーにとって代替となりうるサービス・製品)をイメージするためのSAM。具体的な売上となるSOMがわかるようにプレゼンテーションを行う。
<あんまり盛り込まなくていい内容>
What 何をやるか。現時点で具体的なビジネスモデルがある必要までは求めていない。どんな商品、サービスかはWhyを議論するためにたたき台はあったほうがいいが、Whyが明確であればOK。
How どうやってやるか。どう顧客に訴求するのかは、Whatが決まったあとで、ずーーっとやり続けていくこと、今はまだ求めない。
その後、起業プロジェクトとして走り始めている「Sakana project」をお題にして、「何が顧客への提供価値なのか」を考えるグループワークを行いました。
何が顧客のペイン(痛み、苦痛、耐え難いもの)なのか。
それを抱えている人はどんな属性、ライフスタイル、性格なのか。
最後に、次回11月30日までの宿題は、いよいよ事業計画策定に入ります。すでに何チームも発表をしてくれていますが、起業まで残り半年の時点で一体どれだけ具体的にイメージしているチームが出てくるのでしょうか。
<今回の宿題>
3年分の利益計画をたててみる
<制約条件>
赤字の合計額は2,000万円を超えない。つまり、3年以内に黒字にできる計画となっていること。最初に累積赤字額を上回る資金調達をする必要があることを把握する意図です。お金がない中で事業に集中するのはとても難しいことです。きちんと計画をたてて、そこからはみ出ないようにお金の管理をし、お金の心配は短期的にはしない状態で、着々と黒字化を目指しましょう。それでもイレギュラーはあります。その時はその時なので、まずは目処を頭の中に叩き込んでおく必要があります。そのためには自分で数値をつくること。
3年後の月商は少なくとも1,000万円を目指す。年間売上が1億円を超えるのが一つの目処。
SOMの目処を5−10年と置いています。SOMを達成するための、3年よりもさらに先も考えて3年の利益計画をつくる。SOMが大きい場合には、3年後でももちろんより大きくなっている必然性があります。
<私からのメッセージ>
1人一つ作る必要はありません。チームで一つでかまいません。ただし、全員がこの数値の意味を理解しておくようにしてください。なぜその変化があるのかということについて、全員が回答できることを期待します。人数が多いとそれだけお金が必要になるということも忘れずに。
現時点で何も思いついていない人は、本日グループワークした長崎のお魚を食べてもらうことについて計画値をたてるでもよいです。ただし、起業まで残り半年の中で、今時点で何も考えていない人は落第点です。自分のことなので、自分で考えましょう。
営業利益まで出すことを求めていますが、今回は費用よりも売上の構成要素、原価の構成要素、粗利までを深く考えてください。具体的であればあるほど行数は増えます。売上、原価とそれぞれブレイクダウンが10行以上くらいになっていてほしいですね。
2022年4月の起業、会社設立まで、あと半年。
第一回コッコデショから、いったい何社が生まれるのか?
長崎市とお話ししているのは、まずは一社。
しかし、もっと生まれそうな勢いを感じます。
今年度の目標は
「起業の機運をつくる!」
そのために、まずは一社以上、コッコデショから設立されてほしい。
楽しみですね!!!
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